こんにちは、中村です!
シナー選手ってすごいなぁ〜
オレも海外に行ってみたい!!
グランドスラムや国際大会を見ると自分も海外へ行ってみたいと心躍らせるジュニア選手は多いのでは無いでしょうか。
そんな憧れを実現して海外で頑張っている選手のサポートをしてきました!
普段はジュニア選手をレッスンをしていますが、プロサーキットを目指す選手のサポートをするのは久々で私自身も気を引き締めて臨みました。
今回はそんな海外への憧れを持つ選手にとってモチベーションが上がるかも知れない記事を書いてみたいと思います!
セルビアで頑張る有輝との出会い!

サングラスは成城の伊藤コーチとユウキと3人で!
選手の名前は池田有輝!(以後はユウキと書きます!)
彼との出会いは今回が初めてではなく、8年前くらいまで遡ります!
私が2回目のバンコク(APF Academies)に行く前は東京で世田谷区にある成城JTAでコーチとして活動をしていましたが、そこにユウキが入校してきたのが最初の出会いでした。
当時、学校の部活でテニスをしていたユウキはそれだけでは物足りないということで成城JTAの選手コースの入校してきました。
その時にはもちろん、全国レベルの選手ではありませんでした。

14歳以下の時にトーナメントで入賞した時のユウキ!
初めて会った時の印象としては
- 声が大きい
- 壁を作らずに誰とでも仲良くできる
- 何事にも真面目に取り組める
- 少し天然が入っていた
今風に言うとみんなにイジられる”愛されキャラ”といった感じでしょうか。
しかし、テニスに対しては手を抜かずに言われたことをしっかりとこなす真面目さでユウキはどんどん成長していきました。
私がバンコクへ行くため、成城でのレッスンが最後の日にユウキが送ってくれたメッセージです。
その時の携帯は手元にないので画像としてあげられませんが、真っ直ぐな元気をもらえるメッセージだったのを今でも覚えています。
それにしても、成長した選手と再び一緒のコートに立てる日が来るとは「感慨もひとしお」ですね!
アメリカの大学を休学してセルビアへ!

ユウキは成城JTAでジュニア時代を過ごした後にさらに高みを目指してアメリカの大学へ留学を決断します!
しかし、アメリカでは大学のコーチと上手くいかなかったり、パンデミックの影響などもあり、カレッジテニスでは環境をうまく作れず、次の行動を悩んでいたそうです。
そんな中、フューチャーズなどの国際大会を回っていた時にセルビア人のコーチと知り合いになり、そのコーチの勧めもあって、現在通っている大学を休学してセルビアに拠点を移して活動をスタートさせたとの事です。
日本で選手活動をするかも考えていた様ですが
- 車でヨーロッパの大会へ移動ができる
- 飛行機での移動もそこまで長くならない
- プロを目指すジュニアやトーナメントに参戦している選手が多く練習相手にも困らない
などのメリットが見出せたのでセルビアに拠点を置くことにしたそうです!
ー現在、ユウキが拠点にしているセルビアのテニスクラブー
https://www.instagram.com/jankovictennisacademy/
練習のテーマは「攻守の切り替え!!」

今回、里帰りの一時帰国中のユウキのサポートを打診されたのは、普段からお世話になっている成城JTAの小野コーチから話を頂き、サポートしてきました。
小野コーチとミーティングをして
- チャンスと思ったら素早く前に入って攻撃をすること
- スリットステップをより大きく取り、素早く動ける状態を作ること
セルビアのコーチから指摘されていた「攻守の切り替えの判断をより速くする」をテーマにトレーニングやフィットネスを精力的に進めました。
前もってセルビアでの練習を動画を見ていたのですが、その動画より機敏さを身につけることができたので当初のテーマに近づけたとユウキ本人も実感した様です。
ーちょっと話が逸れますがー
ジュニアや選手の皆さんは「もっと素早く動け!」や、「相手を見ろ!」とかコーチから言われたことがあるのではないでしょうか?
この言葉はどのレベルになっても当てはまる、「基本的なスキル」になります。
この基本的なスキルをより高めていくことが自分のステージを上げるために必要になってくるので頭の中に入れておいてくださいね。
ー成城JTAのページー
https://tifa-sports.wixsite.com/seijo
プロを目指す選手の実情を聞いてみた!

私自身はセルビアのテニスについてはあまり情報を入れてこなかったので色々と話を聞いてみました!
簡単なテニス事情になりますが
セルビアではハードコートとクレイコートがあるとのことですが、冬場は本当に寒くなる(1月の平均気温は−2℃!!)のでハードの場合はコートにヒビが入ってしまうため、ハードコートで練習をする場合はアウトドアではなく、インドアになるそうです。
ユウキたちの練習は基本的にはクレイコートで行っているとの事です。
ヨーロッパの選手は「クレイで育つ」というのは単に足腰に負担がかからないなどのメリットの他にも環境の観点からの問題も合間ってというのが伺えますね。
スポンサーを見つけるのが大変!
セルビアで活動をする選手たちは国内トーナメントでの活躍よりは国際大会(ITFランキング)を目指して活動する選手が多いと話してくれました。
しかし、プロとして世界を回るにはどうしてもクリアしないといけないのがスポンサーを探すこと。
才能や成績を残してもスポンサーを見つけることができずに奨学金を出してくれるアメリカの大学へ進学する選手もいるそうです。
実際にユウキの友人でITFジュニアのランキングで2位までいき、フューチャーズの大会で頑張ってATP500位までいったけどスポンサーが見つからずアメリカの大学に進学する選手もいるそうです。
また、メキシコ人の選手と話をした時にATP500〜600位で伸び悩む選手は25歳くらいでツアーを回るのをやめてコーチに転身する選手も多いそうで、先進国というより、途上国の選手によくある話だそうです!
普段、テレビで見るグランドスラムやグレードの高い試合を見ると、審判が複数人いて、ボールパーソンがついて、観客が拍手をしてくれて、と世界のテニスはとても華やかな世界に感じますよね。
しかし、そこにたどり着くまでにはフューチャーズやチャレンジャー大会を這い上がるのは厳しい道のりということを話してくれました。
現在、ユウキはヨーロッパやエジプト、中東などを転戦してフューチャーズのステージを卒業するべく日々、練習に励んでいます。
ATPポイントを1点取ることを当面の目標に置いているユウキですが、「ポイントが取れました!」という元気な報告を早く送られてくるのを心待ちにしながらその様子を見守りたいと思っています。
最後に小野コーチの球出しの練習動画!
今回はセルビアを拠点に活動をする選手のサポートについて記事にしました!
世界のテニスシーンで勝ち上がって行くのは簡単な事ではないのですが、目標に向かって歩みを進めていってほしいと思います。