こんにちは、中村です。
今年のUSオープンは形を変えて開催される方向ですね。
無観客開催、ドロー数の縮小、ボールパーソンや線審の縮小など全てにおいて縮小モードですが現状を考えると仕方のない処置ですよね。
さて、今回はボール配球のコースを書いてみたいと思います。
この記事を読んでプロの試合で「今のプレーはどんな意図があったのか」と考えを深めてみましょう。
打つコースはいくつあるか?
選手たちが打つコースは大きく分けて下のイメージのようになると思います。
番号を振りましたがL5とR5はコートの深く、L1とR1ネットから近くになります。
となると緑色の「C」はロングセンターになります。
5から1に上がっていくとネットからの距離が短くなっていきますね。
ネットからの距離が近くなるとネットの存在を気にしてしまい深く打つよりも「ネットが高い」と感じてしまうかも知れませんね。
では、それぞれ各コースの特性を考えてみましょう。
5番のコースについて
ロングに打ちたい時にはこの5番を狙います。
どの番号でも当てはまると思いますが作戦上、クロスに打つ場合は”相手をコートの外に追い出す”ことを意識して打ちます。
この5番の深さにしっかりと打ち分けられたら相手をコートから後ろにも遠ざけることができます。
5番に連続して打ち続けた場合、ボールが跳ねることも考慮すると相手は簡単に攻めることができずに守り、もしくは繋げる配球をすることになるのでエースを取られる事を減らすことができます。
最も基本的なクロスラリーをしっかりマスターしたいですね。
4番のコースについて
5番のコースより少し浅めのコースになりますが、5番のコースにしっかり打てる選手ほどこのコースは有効になります。
こんな感じの差でしょうか。
相手はだいたい体一つか二つ分、動くことになります。
イメージで見ると少しの差ですが、相手にしたらこの差はかなりのストレスになります。
クロスラリーであなたが打ち勝ち、ベースラインから前に入って打つシチュエーションになった時が考えられます。
相手がオープンコートをカバーしに走っているのが見えた時に肩の力を抜いて4番へ打つことができたら相手はもう急ブレーキをかけられないのでエースとなります。
3番のコースについて
サービスラインの少し後ろでこの角度は「ショートクロス」と言われるコースですね。
ここに打てると相手をかなり外に追い出すことができます。
5番と同じイメージで打つとサイドアウトの可能性が出てきます。
ラインより少し内側に収めるためにはボールの外側を打つことが必要ですね。
4番と3番のコースだと相手は焦ってストレートに打ちたくなる心理を誘ってサイドアウトのミスをさせる事もできます。
2番のコースについて
「アングルショット」と言われるコースになります。
ここはグランドストロークでも打たれますが、最近は相手がネットプレーにきた時にパッシングショットとして打つコースになっている感じがします。
ベースラインからこのコースに打つにはスピードより回転量を意識して打つことが必要になると思います。
スピードを出しすぎるとサイドアウトのリスクが高くなってしまうのでスィングは「後ろ→前」ではなく「下→上」にイメージを変えて打つようにしています。
逆の立場になった時にはこちらを覚えておきましょう。
1番のコースについて
主にドロップショットがこのスポットの対象になりますね。
サイドアウトとネットのリスクが最も高く、少しでも力んでしまうと相手に攻め込まれることになります。
最もネットに近いコースである1番は打つ選手にとっても神経を使うコースになるので心に余裕がある時に打つ様にしましょう。
私はベースラインより前に入った時に1番に打つという様にマイルールを設定しています。
センターを打つ時の効果は?
最後にロングセンターにボールを打つメリットを考えて見ましょう。
- サイドアウトをしないというリスクがありません。
- センターに打った後のポジショニングに大きな移動がありません。
- 相手の足(動き)を止めることができます。
などが挙げられ、守り、攻め、つなぎと色々なシチュエーションで使えます。
相手がいるところに打つため、浅くなると打ち込まれます。
逆にスピン量の多い跳ねるボールを打てればそれだけで相手の後ろに押し出すことができ、あなたはベースラインより前に入って打てるチャンスが増えますね。
そのためスピードよりもプレースメント重視で打つようにしましょう。
もし自分がロングセンターに打たれたら
今回は主にクロスの深さについて考えてみましたが、ストレートの配球を絡めて行くとより効果的に相手をコートの外に追い出したりボディバランスを崩すことができます。
あなたの好きなプロがどんな配球でゲームを進めているのか、そこにどんな意図があるのかを考えながら「自分ならこうする」とシュミレートすると戦術のトレーニングになりますよ。