こんにちは、中村です。
今年のフレンチオープンも終わりましたね。
開催時期の変更や観客の制限、ボールの変更など例年通りではないないことが多くありました。
選手たちは色々なことに対応を迫られる大会になったと思います。
そんな中でもナダルは今大会もクレイキングとしての強さを発揮しましたね。
1セットを落とさずに優勝していることにナダルのフレンチオープンへの思いのすごさを感じます。
女子はシウォンテクが頂点に立ちましたね。
厚く握ったフォワーハンドで高い打点から攻めボレーもそつなくこなせる、飄々と試合を進める姿は新しいファンを獲得したのではないでしょうか。
今回はフレンチオープンを観た中で感じた多くの選手が取った作戦について考えてみたいと思います。
フレンチオープンのホームページ(英語版)
https://www.rolandgarros.com/en-us/
プロの試合を見るときにどんな作戦を思いつきますか?
クレイコートの特徴とプレーする時の考え方
ドロップショットや強力なウイニングショットを持っていてもそれだけをただ繰り出しても容易にはエースや得点には結びつきません。
その為のウイニングショットのより確率を上げるために前振りとも言える「布石」が必要になります。
ウイニングショット自体が派手なのでその前の布石を見落としがちです。
しかし、ここを抑えておかないとそのウイニングショットがどうやって生み出されたかが謎のままになってしまいます。
どの様なものかはその選手の特徴や持ち味によって違うのですが、その布石の大体の意図は「ポジションを下げる」と「相手にストレスをかけること」になります。
クレイコートでの戦術:バックハンドを攻める
クロスラリーから展開をするのが基本となっています。
しかし、最近ではバックハンドを攻めるが今のテニスシーンでは多くなりました。
まるでハーフコート対オールコートの練習をしているのかなと思うくらいにバックハンドに集中的に集めます。
相手の弱点を攻めるのは戦術の基本ですね。
そのため、バックハンドにボールを集めることで相手のフォワーハンドの強打を防ぐことになります。
相手からするとずっとバックハンドを打たされていて、得意なフォワーハンドを打つのをお預けされるとそれだけでもストレスになります。
クレイコートので戦術:ドロップショット
クレイコートのプレーではドロップショットは特別なショットではなくなって来ました。
ただし、漠然と打ってしまうと相手はネットに近くから打てる環境を設定してしてしまうのでそれまでの布石が必要になります。
ここでは2つの状況を考えてみます。
最長距離を走らせる
代表的な布石はドロップショットを打つ前にはロングクロスで相手のポジションを下げた状態でそこからストレートにドロップショットを打ちます。
エースが取れなくても相手を最長距離を走らせるメリットがあります。
この場合は布石のボールはただ速いボールよりも高さを出して相手を斜め後ろに下げて、重心が上がった状態にして次へ移行する動作を遅らせましょう。
走っている逆をつく
相手の逆をつくドロップショットも一つの作戦になっていました。
ストレートに打ってオープンコートができたら、相手はオープンコートをカバーしに走ります。
そこを逆手にとってもう一度ストレートにドロップショットを仕掛けます。
相手は逆の方向に走っていますから反応できても急には方向転換はできません。
この場合はボールが来るのを「オープンコートに打つために待ち構える→でも打つのはドロップショット」という演技が必要になります。
クレイコートでの戦術:角度を変えたクロスラリー
こちらは主にバックハンドになります。
ロングラリーの展開から少し浅いクロスに展開すると相手の反応が遅れてエースまたは次の返球が甘くなります。
打点を落とすメリット
5番(L5、R5)のコースから4番(L4、R4)か3番のコースに打つことによって、相手にとってはオープンコートをカバーすることが遅れることになります。
またコースを変える時に、あなたがボールを落としてボールを打つタイミングを変えるだけで、相手はストレートを警戒します。
そのため、ますます角度のついたクロスに相手は返球しにくくなります。
仕掛けるあなたが追い込まれている状態のときではなく余裕がある時に展開をしましょう。
クレイコートではハードコートでエースになるボールがエースにならないことがあるのでタイミングやもう一打多く打つ必要がある。そのためには普段よりもう一手間加えた作戦が必要になる。